Akko V5 Creamy Yellow Pro │スイッチレビュー

2025年9月21日

激安スイッチメーカーで知られるAkkoの『V5 Creamy Yellow Pro』をレビューします。

※ちなみに本スイッチはAkko V3 Creamy Yellow Proの後継スイッチで、V4は存在しないようです！

商品概要

スイッチの公称スペックは以下の通りです。

データシート

スイッチ単価が非常に安いのがAkko製品らしいですね！

Akko V3 Creamy Yellow Proからの変更点はハウジングの素材、総トラベル、LEDディフューザーの3点です。

V3はステムがPOMだったのに対し、V5はPA12(Nylon)になっています。また、BOXステムから通常のステムに変更されています。

総トラベルは3.3mm(V3) → 3.5mm(V5)と先代に比べて若干長くなっています。個人的には総トラベル3.3mmは短すぎて違和感を感じてたので良い変更だと思いました。

そして、LEDディフューザーの搭載は最近のトレンドを貪欲に取り入れているように感じます！

分解して思ったのはステムの先端形状がユニークな形をしていることで、
少し尖った形状をしているためシャープな底付音を鳴らしてくれるものかなと思われます。

また、少し面白いところでボトムハウジングのセンターマスト(ステムポールが差し込まれる部分)内に８つのガイド(突起)があります。押下時の直線性確保とを摩擦を減らすための機構と思われます。

ファクトリールブは以下の箇所にたっぷりと塗布されています。オイリーな物ではなく、白濁しているGPL 205G0っぽい潤滑剤です。
・ボトムハウジング　…　リーフ、ステムレール、センターマスト内
・ステム　…　ステムレール、ステムレッグ、センターポール

ステムの長さは13.8mm、スプリングの長さは20.0mmでした。
ロングポール＆ロングスプリングという流行りの構成です。

私の測定環境では、総トラベル公称値3.5mmに対して約3.4mmとほぼ同等でした。

水平・垂直方向ともにステムのグラつきは小さく優秀です。
1個あたり56円でこの品質は素晴らしいの一言ですね！

タイトなスイッチにありがちなステム戻りの遅さもなく好感触です。

一つ難点を挙げるとしたら、プレートへの噛みが甘い点です。かちっとハマった感じがなく、ヌルっと入っていきます。

☆まとめ
　水平方向：A
　垂直方向：A
　総合　　：A

本サイトでは、”CherryMX2A Black”の縦方向・横方向のグラつきをB評価として、S~Dの5段階評価を行っています。

スイッチ名に”Creamy”とある通り、Creamyなサウンドを楽しめるスイッチとなっています。

まず前提として優秀なファクトリールブのおかげでスイッチ押下時のスレ感、スプリングノイズがないので、追いルブの必要性を感じません。

スイッチ底付時のサウンドはシャープで高め。天付時の音は抑えられています。

底付、天付ともに音量は小さくオフィスでも使えるレベルだと感じました。

ボトムハウジングの素材であるPA66は本来低めの音を出してくれる素材だと思いますが、尖ったステムポールによって少し高めの音になっているんじゃなかろうかと思われます。

“Akko V5 Creamy Yellow Pro”は1個当たり56円と激安ながら優秀なファクトリールブ、少ないグラつきを実現したスイッチでした。しかもLEDディフューザー付きという…。

センターマストへのガイドという少し変わった構造を取り入れているのも面白かったです。
（正直その効果は実感できませんでしたが…）

ロングポールスイッチならではの指に伝わるダイレクトな打鍵感と静かな打鍵音を両立したい人に非常におすすめなスイッチです！

2025/9現在、国内での販売がなくAliexpressなどを使用するしかありませんが、気になる方は試して損がないスイッチだと思います！

テスト後のデータシート